幻想劇団まほろ「夕凪」感想。

本日、VOICEROID実況でゆかりのある「そーや」さんが所属する幻想劇団まほろの第三回本公演「夕凪」を観てきました。パンフレットによれば、夕凪は 海岸地帯で夕方に海風が陸風に変わる時の無風状態。昼と夕方と夜が、空と陸と海が、交わって生まれる静寂。こんな時には、普段は聞こえない誰かの声が聞こえてくるかも知れない… 幻想劇団まほろ 第三回本公演「夕凪」パンフレットより とあります。確かにこの公演をまとめてみると、そこには変化の前触れが、そして変化の形があったような、そんな感じがします。 前書きはほどほどにして、この公演では3本の作品「He is a dreamer.」「おこたのこたちゃん」「リビング・デッド」がオムニバス形式で、連続して上演されました。それぞれ「岡崎」「東京」「名古屋」という別の土地で稽古して作り上げた作品とのことで、それぞれについて感想をまとめてみます。1度観ただけで感じたことをまとめるので、解釈違いなどあるかもしれませんが、あしからず。あとネタバレなどあるかもしれません。千秋楽を終えた公演なので気にしない方も多いとは思いますが、Twitterとは違い比較的閉じた場所にあるブログなのでご承知おきを。 He is a dreamer. メディアの形が多様化し、とYouTubeやニコニコ、その他配信サイトなど「インターネットメディア」の影響も強くなってきましたね。手元の機材の高性能化・低価格化も進み、近年では「VTuber」も多くなっています。そんなVTuber的なものを素材に持っていそうな作品。 いきなりアイドルの公演的なパートが始まったときはびっくりしました。そこからマネージャーかないう人?とが登場しつつ、ストーリーが進むにつれてその人物像が解き明かされていきます。そして2人に交錯する、変わらない「夢」と変わらなければならない「現実」。社会人なると直面する「現実」を、しかし希望的な「夢」を、上手に交差させ考えさせる作品だったと思います。 最初は、せっかくプロジェクターあるんだからニコニコみたいにコメント重なったりすれば面白そうだなぁとおせっかいながら思いましたが、それを想像させるのが「演技」の力ですよね。公演後頭の中で感想をまとめているとき、ふと思い直しました。 おこたのこたちゃん 引越し前なのにこたつから出ようとせず荷物をまとめようとしない「こたちゃん」と、それを叱りつつ手伝う香澄。この2人のみで進んでいく、可愛さもある作品でした。 ずぼらさというか、面倒くさがりな少女と世話焼きな友達だなぁという最初の印象。しかしなんで名札らしきものをかけているんだろう?という違和感が次の展開への道しるべとして機能していく、そんな感覚がありました。首からかける名札って、考えてみれば社会人の、「おしごと」としての象徴ですよね。この前に上演された先の作品含め、「学生劇団から社会人劇団への変化」というものが少なからず作品に影響を与えているような感じを受けます。 「仕事」としての役目と、こたちゃんを思っての行動に悩む。結論は明確には示されませんでしたが、こたちゃんは自由に生きて、幸せになって欲しいなぁ……。 リビング・デッド プロジェクターの「調整中」の画面が独特で、さすがだなと思いました。それはさておき、これまでの「まほろ」のテイストらしい作品(「熔けない」にも近い作品かな、と思っただけですが)。 人間が否定できない「嫉妬」と「執着」という感情。「顔だけ」で好きになったはずなのに、その姿が変わっても、たとえ半死のゾンビになったとしても愛してしまう。そしてそれが理解できない、自分を愛して欲しい少女。内面がわからず、謎に包まれた少女。その外側から「仕事」として向き合う2人の大人。感情の交差が上手に描かれていたなと思います。 あ、ちなみにOP部分では白い線上に背景の「封印」的なものが浮き上がったところが一番好きでした。あと文字の表現はやっぱり、そーやさんらしい好きな演出。台本買いましたので、後日じっくり読ませていただきたいと思います。 こんな感じで各作品ともしっかりと堪能させていただきました。やっぱり「創作」にふれた直後は、自分もしっかりとやってみたくなりますね。どうしても「仕事」で時間が取れないことが多いのですが……。 プロジェクターとか、色んな機材は手元に集まりつつあるので、だいぶ先になるとは思いますがいつかは大がかりにやってみたいです。まずは小出しに、ですけどね。 ちなみに幻想劇団まほろさんのwebサイトはこちら。次回公演の話はまだありませんが、あればまた見に行くと思います。https://mahorofantastic.jimdo.com/