Mine大捜査線 八白警察署を攻略せよ! Ep.1 台本【ウソクラフト】

※本台本は最終稿をそのまま掲載したものであり、実際の動画とは一部異なる部分が存在します。予めご了承ください。

編注・読み上げ変更:茜→水奈瀬コウ

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Mine大捜査線 八白警察署を攻略せよ!(仮題)Ep.1

登場人物

結月ゆかり(記者ゆかり):愛知放送記者、愛知県警担当

刑事課長:坂出課長、八白署刑事課課長 aq_mf1

刑事A aq_m4b

アナウンス 葵

α aq_rm

β 茜

マキ(アナウンサー)

テロリストZ ずん子

その他エキストラ

1.八白警察署・外観(夜)

2.1階記者クラブ

 室内にはゆかりが独り。他の記者はいない。

ゆかり「……そう、この警察署に配属されたからには、全てを知りたいの」

 ゆかり、一人呟いて上を見上げる。

ゆかり「そう、事件記者であると同時に、警察記者としてもありたいの」

 ゆかりの後ろ姿。

ゆかり「私は、この八白警察署を追いかける」

 暗黒。

ゆかり「絶対に、全てを知ってやる」

オープニング

3.八白警察署・外観(朝)

 一案として、夜から朝へ早回しとか。

4.住宅街(朝)

 住宅から刑事課長が出てくる。ゆかり、出待ちしていて追いかける。

ゆかり「あの、坂出刑事課長、一昨日の事件について伺いたいのですが」

刑事課長「急いでいるんだ、後にしてくれ」

ゆかり「ありがとうございます坂出課長、後から教えていただけるんですね」

刑事課長「……まったく、君は上手いねぇ」

ゆかり「で、後っていつですか? 今ですか?」

刑事課長「それくらい、自分で考えなさい!」

5.八白駅・中央コンコース(朝)

 行き交う人々。

6.八白駅・3階ホーム(北側・朝)

 止まっているリニア。降りてくる乗客。

 暗黒。爆発音。

7.八白警察署・4階刑事課

 出勤前のため、室内に刑事は宿直の数人。

 突然鳴り始める電話。

刑事A「はいこちら八白署刑事課。……はい、はい。……解りました、すぐ向かいます」

 刑事A、飛び出すように部屋を出て行く。

 直後、ブザー音。部屋内に鳴り響く。

アナウンス『県警110番受理台より受電中、県警本部より受電中、八白市内を走っていたリニア新幹線車内で爆発音がしたとの通報が相次いでいます。繰り返します。県警本部より受電中、八白市内を走っていたリニア新幹線車内で爆発音との通報。現在車両は八白駅付近に停車中とのこと。各課初動対応に当たってください。改めて繰り返します、八白市内を走っていたリニア新幹線車内で爆発音がしたとの──』

8.八白警察署・4階

 刑事課から無人のこども課へとカメラ移動。窓から見える八白駅。中線に止まっているリニア。

9.駅→放送局局舎カット

10.放送局4階・ニュース情報センター

 多数鳴り響く電話の音。こちらも出勤前のため人は少ない。数人は北側窓(駅方向)を見ている。

α「東京のTSTから顔出し出来ないかの要請!」

β「Nスタセッティングします!」

マキ「センター内ブースの方がよくないですか!?」

α「いや、Nスタでいく! あと2分でいけるか!」

β「点火は済んでます、もう少しでいけます!」

11.放送局4階・Nスタジオ

 ニュースセットに座るアナウンサーマキ。

β「ではTSTにカットイン入ります」

マキ「はい、こちら八白駅前にある愛知放送です。このABS放送センターからも八白駅に止まるリニア新幹線の車両は確認できます。画面は屋上カメラからの現在の様子です。」

12.八白駅前

 多数の人々で溢れている駅前。

ゆかり「何かあったんですかね」

刑事課長、立ち止まる。

刑事課長「はいもしもし。……ああ、今署に向かっている所だ。……なるほどわかった、すぐ向かう」

ゆかり「何があったんです?」

 刑事課長、再び歩き始める。

ゆかり「坂出課長!」

刑事課長「ここでは話せん! あとにしろ!」

 繰り返し声を上げながら追いすがるゆかり。放送局前まで来て、人混みが少なくなった所で刑事課長が歩きながら口を開く。

刑事課長「リニア新幹線車内で爆発音、当該車両は八白駅付近に停止。詳細不明だがテロの可能性あり。……八白に特捜立つ事案だよこれは」

ゆかり「テロ、ですか」

刑事課長「私が知っているのはそれだけだ、情報は署に着いてから集めた方が速い。君は、どうするのかね」

 刑事課長、立ち止まり、ゆかりに振り返る。

刑事課長「署内にいても記者会見まで情報は出ないに等しい。ここに留まった方が様々な情報を得られるのではないか?」

ゆかり「わたしは、事件記者です」

刑事課長「そうだな、事件に張り付く記者だな。事件はここ、現場で起きている」

ゆかり「でもそれと同時に、警察記者です。警察の動きを追う、それがわたしの仕事です」

刑事課長「となると」

ゆかり「わたしは警察署に向かいます。それがわたしの役割です」

刑事課長「うむ、じゃあついてこい」

 再び歩き出す二人。

13.八白警察署前

 歩道を歩いていく二人。そこに再び、携帯電話の着信。刑事課長、立ち止まって電話を受ける。

刑事課長「もしもし。……すまない、もう一度言ってくれないか。……間違いはないんだな? わかった、適当な場所を手配しなければな。それはこちらで動いておく。では新しい情報が入ったら頼む」

ゆかり「今度は何が?」

刑事課長「まさか、そういう展開になるとはな」

ゆかり「はい?」

 刑事課長、道を戻っていく。

ゆかり「どこに行くんですか」

刑事課長「君は、愛知放送の記者だったね?」

ゆかり「はい、八白駅前に本社を構える、愛知放送報道部愛知県警担当デスク・八白警察署付の結月ゆかりです」

刑事課長「場所を貸してくれないか」

ゆかり「……はい?」

刑事課長「八白警察署が何者かに占拠された。県警本部にも犯行声明の電話が署内回線からあったらしい。加えて、それ以来外部への通信が一切途絶えているときた」

ゆかり「それは……大事件ですね」

刑事課長「大事件が2箇所同時に起きている。連動した事件の可能性もあるが、捜査本部が2つ必要だ。しかし警察署が占拠されている以上、場所がない」

ゆかり「つまり、愛知放送内に捜査本部を置かせてほしい、と?」

刑事課長「そういうことだ

ゆかり「……しかし、わたしの一存でそういうことは……」

刑事課長「上司に掛け合え」

ゆかり「しかし了承してくれるとは……」

刑事課長「もちろんただでとは言わない。社屋内に置かせてもらう以上、取材の優先権は愛知放送に与える。それだけでも十分魅力的だと思うが」

ゆかり「じゃあ、一つ、付け加えさせてください」

刑事課長「なんだ?」

ゆかり「八白警察署の全階層を、1つ1つ取材させてください」

刑事課長「それは、どうしてだ?」

ゆかり「わたしは警察記者です。警察署の全容を、知りたいのです」

刑事課長「わかった、私の権限でその話は無理にでも通してやる。これで、いいな?」

ゆかり「はい、では向かいましょう、現場を指揮する、会議室を確保しに」

 歩き出すゆかり。

14.放送局1階南東角・時間外出入口

 やってくるゆかりと刑事課長。警備員に事情を話し、ドアを開けてもらい中へと入っていく。

15.放送局4階・東廊下

 ニュース情報センターへと向かうゆかりと刑事課長。

16.八白警察署ヘリポート

テロリストZ「……さて、手筈は整いましたね。あとはどうやって、目標を達成するかです。これも協力者Yのおかげですし、(暗転)彼女のためでもあるんですから」

17.放送局4階・東廊下

 ふと立ち止まり、窓から外を覗くゆかり。その視線の先には、八白警察署がある。

 つづく