ついでに、macOSでVOICEROIDを使おうなんて無茶なことをやってみたい人のために。

(macOSで本当にVOICEROID動かしたい方は、最後まで読み飛ばしちゃダメよ、損するよ!)

 私自身のメイン機はMac(MacBookPro)で、macOSのみで動かしています。ただしWindows10も一応あるわけで、VOICEROID実況作る時の音声読み上げはそちらで作っております。台本をMac側で書いて、iCloud使ってWindows側に転送して、音声をWindowsで作って、それを再びiCloudでMac側に転送した上で、Final Cutを使って編集しているという具合です。MacとWindowsを行き来していますね。パッと見、なんでそんな複雑なことをしてるのかって思うでしょう。

 ではVOICEROID実況をmacOS上だけで作ることはできないのか。つまり、VOICEROIDをmacOS上で動かすことは出来ないのだろうか。

 結論としては、出来なくはないです。色々制限がつきますが。

 まず、現在のVOICEROIDラインナップを確認してみましょう。

・VOICEROIDで発売→VOICEROID+ EXにアップデート
 月読アイ
 月読ショウタ

・VOICEROID+で発売→VOICEROID+ EXにアップデート
 弦巻マキ(民安ともえ)
 鷹の爪 吉田くん
 東北ずん子

・VOICEROID+で発売→VOICEROID+ EXにアップデート→VOICEROID2にアップデート
 結月ゆかり

・VOICEROID+で発売(機能はEX相当)→VOICEROID2にアップデート
 琴葉茜・葵

・VOICEROID+ EXで発売
 水奈瀬コウ
 京町セイカ
 東北きりたん

 こんな感じですね。何故アップデート経歴までメモしてあるかって? いえいえ、これが重要なんです。とっても。

 さて、macOS上でWindowsソフトを動かす、実はそんなことは実現可能です。フリーウェアで。ただし制限付きで。それを実現するのが「Wine」というライブラリです(エミュレータではない、くれぐれも)。しかしこれはLinux用のライブラリ、しかしmacOSはLinuxと同じくUNIX系OSであることを忘れてはいけません。つまり、動かそうと思えば動かせるのです。
 さて、VOCALOID(ボーカロイドです、歌う方です)は今でこそライブラリとエディタが分かれ、macOS上で動かせるようになりました。しかし以前はWindowsのみでしか動かせないソフトだったのです(ちなみにUTAUについては以前からMac対応ソフトがあります)。けどMacでどうしてもVOCALOIDを動かしたい、そんなことを思った人がいたようです。その人は「Wine」に注目し、「Wine」を経由して初音ミクたちを動かすソフトを作りました。それが「MikuInstaller」です(なおCPUの壁は越えられずIntelMacのみの対応)。
 ではそれで動かせるのか、というとそうは単純な話でもないようです。MikuInstallerに同梱されているWineは古めで、入れ替えるってのもなかなかめんどくさいです(入れ替えられますが)。さらには、X11が必要です。最新OSだとXQuartzで代替されます。UNIX系コードをmacOSで使用できるプログラムですが、ちと古い技術です。重いです。←適当に言いました。正確には「X Window System」をmacOS上で動かすのがX11なりXQuartzですね。
 じゃあ他のソフトはありませんか。ありますよ。「NXWine」や「EasyWine」(製作者は同じ方です)を使いましょう。よし、これで解決。

 するとでも思いましたか?甘い甘い。

 実はこれらのソフトを使っても、EXではインストール中にエラーを吐きます。インストール自体は完了するので試しに起動してみても、エラーを吐いて終了してしまいます(ついでに、Wineライブラリ上で「プログラムの削除」を実行しようとしてもエラー吐きます)。おそらく、オンラインアクティベートの仕組みが影響しているかなと思われます。そう、EXはね。裏を返せば、「VOICEROID+」なら動くんです。多分月読兄妹も無印なら動くんじゃないでしょうか、持ってないから判りませんが。現に、ここあたりの動画はNXWineを経由してゆかりさんを動かし、声を書き出しています。EasyWineは最初の文節で切れてしまい調声が難しいですが、NXWineならちゃんと読み上げてくれます。はい、動くんです。ありがたいじゃないですか。

 でも、今さらEXじゃないVOICEROIDなんて手に入れられない。あるとして中古市場かな。そんな風に思っていませんか。

 いいえ、ちゃんと売ってます。現在も。

 ここで「VOICEROID+ 民安ともえ EX」ダウンロード版のファイル構成を確認してみましょう。Windowsでスクリーンショット撮るのも面倒なので、macOS上の画面です。問題ないですよね、macOS上で動かす話ですから。あ、ちなみにダウンロード版は自己解凍ファイルを落とす形ですが、その解凍についてはちゃんとWine系ソフトで出来るのでご心配なく。それどころか「The Unarchiver」あたりを使えばWine経由しなくても無理やり解凍できます。出来るはずです。

 気がついたでしょうか。「VOICEROID」と「VOICEROID_EX」のフォルダがあります。試しにランチャーを開いてみましょう(EasyWineで)。なお、EasyWineで起動するとランチャーはカーソルをついてきてボタンを押せないので、実際に入れたいときは各フォルダから直接インストーラを開いた方が無難です。

 ほら「旧バージョンをインストール」とあるでしょ?これが答えです。

 VOICEROID+ EXには、旧バージョンのVOICEROIDも収録されている。

 もちろん、VOICEROID+ EXでしか発売されていない東北きりたんなどには付属していません。それは仕方ない、EXが出た後に発売されてるからね。ってことで

 macOSでVOICEROIDが使いたければ、EXについてくる旧バージョンを、Wine系ソフトを使って動かせ!

 めでたしめでたし。
※当然のことながらAHS側は本来意図していない使用方法なので、試すのは自己責任で。

 とか書きましたが、ずんちゃんは無事にインストールは出来るものの、起動できないようです。起動できないのはオンラインアクティベート関係の問題じゃないみたいね。ずんちゃんからはフレーズ編集機能がついてるのでそこの問題ではないでしょうか。←とか書いていますが、ゆかりさん達にも別ウインドウながらフレーズ調整機能あるのだよ、実のところ原因はよくわかりません。

……「ゆかりさんは今VOICEROID2じゃないか!」って声も聞こえてきそうです。はい、そうですね。そして(まだ買ってないのでわかんないけど)VOICEROID2のゆかりさんには旧バージョンが付いてないですね。

 では、ここで一つのページをご覧ください。

http://www.ah-soft.com/voiceroid/yukari_ex/index.html

 実は、VOICEROID2版とVOICEROID+ EX版のゆかりさんは併売されているんですよ。安心して、EX版を購入しましょう、そして旧バージョンをインストールしましょう。ちなみに多少見つけにくいですが、同じくVOICEROID2になった琴葉姉妹もちゃんと、旧バージョンであるVOICEROID+版がちゃんと公式で販売されています。と書いたところで確認したら見つけやすくなってました。あれ、この前は見つけにくかったのに……。もしかして私のツイート見られてる……? ちなみに

 AHSの社長さん自身がこう呟いていらっしゃるので、決して「販売停止が忘れられてる!」とかではないです。ご心配なく。

 って、なんでこんな記事書いてるんだ私。動画編集の作業に戻らないと。

追記:
そういえば前記事「macOSでニコ生配信するために」をまとめているとき、こんな記事を見つけました。
http://ojiya.php.xdomain.jp/bouyomichan.php
最新のWineライブラリなら、ワンチャンEXでも動くかもしれませんね。試してませんが。だって、Windows10持っているし。オンラインアクティベートを2台同時にとか出来ないし。
(↑とか書きつつEasyWineのWineバージョン確認したら2.6でした。新しいバージョンのWineじゃないか、なら動く可能性も低いじゃない(動かす方法が多少違うので、動く可能性はあります)。)