小説
-
都市伝説
とある噂を、私は友達から聞いた。「あの街に行くと、自分が消えてしまうんだって。怖いよね〜」 そんなの都市伝説だ、正直その時は馬鹿にして、話半分で聞いていた。世…
-
これはまるで、SFの世界に迷い込んだかのようですね。
地下鉄名城線・東別院駅前に社屋を構える愛知放送(ABS)。四階にはニュース報道センターがあり、放送エリアの東海三県に限らず日本国内外のあらゆる情報が集まってく…
-
言葉遊び
「ねぇ、歌穂りん」 とある昼休み、二人の女子生徒がベランダ状に設けられた廊下で話している。一人はポニーテール、もう一人は三つ編みに、それぞれ髪をまとめている。「…
-
赤から銀へ
二〇一四年四月、私の地元、名鉄瀬戸線で使用されている車両の全編成が新型の四〇〇〇系に更新されるそうです。この「Striking Anew」の発行から、四ヶ月後…
-
画面のセカイ。
街に、異変が起こっていた。 歩いていた人は立ち止まり、ケータイのカメラを空に向ける。それに釣られ、ボクもまた、空を見上げた。そこにあるものは確かに、常軌を逸し…
-
冬の日
サク、サク、サク。ボクが一歩ずつ歩くと、そういう音がする。地面が白くて軽いものに覆われているからだ。サク、サク、サク。何かいい気分だけど、足許がちょっと、冷や…
-
事が起こる、前の話。
「佐奈ちゃん、彼氏とかいるの?」「いるよ?」 話の流れでふと、聞かれた。友達の、彼氏が自分に対してどれだけ尽くしてくれるかと言う自慢話だったと思う。「でもさ、彼…
-
蛇の遣い
何となく、だから。この駅に思い出なんて、別にない。ただ通過する、それだけの駅。 気がつくと、私はこの、動物園に近い駅で降りていた。小さい頃に来たことはあるはず…
-
回る回る。
「かほりん、お寿司食べに行こう!」「何なの、突然」 帰りのSTが終わると翠が叫ぶように言い、歌穂は頭を抱える。「寿司だよ寿司、お・す・し!」「だから急に食べに行…
-
コトネアスター
「そうね、それでいいと思う」 ごめん、と彼は言った。うん、もう判ってた。浮気していたことくらい、お見通しよ? ずっと見ていたらすぐに解る。解っていて、それでも言…