小説
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二月十六日金曜日。
春はもうすぐ来る、それは分かっているが寒すぎる。学年末テストはもうすぐだが全然勉強していない。まあ、受験は来年だ。多分、大丈夫だろう。 テスト週間で部活がない…
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行動と、想い。(SS版)
少年が一人、街の中で立ち止まっていた。彼の眼に見えているのは人間の、腕、だけ。「腕だけでも結構、どんな行動をしているか分かるもんだなぁ」 手を繋いで歩いていた…
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Cm(シーマイナー)
「私、そろそろ寿命かな」 目の前で机に座っていた少女は、そう言った。きっかけなどなく、突然。「ど、どうして?」 戸惑うのは当然だ。そんな衝撃的な言葉を唐突に言わ…
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季節外れのBMB
『県庁駅での信号故障のため、現在名環線はダイヤが大幅に乱れています──』(にしても電車、来ない……) ホームに溢れる人々、繰り返されるアナウンス。行先表示板の時…
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待つ
(これって、フラれたのかなぁ……) 待ち合わせの時刻から一時間、カレはまだ、来ない。指定された時計塔、反対側には地味めの男の子。もちろん、カレとは違う。カレはこ…
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ある夜のループ。
ある所に、男の人がいました。まあどうってこともない、普通の人です。とりあえず彼としておきましょう。その彼は人里から少し離れた、一軒家に住んでいました。変わって…
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机上詩同好会(ショートショート版)
〈第0幕〉 ある日の夕方。×××××室の中に独り、少女がいた。少女は机に座り、あてもなく窓から外を眺める。そして独り言を呟く。「最近、何か私おかしいな……」 …
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この空は昔にも続いている。
午前七時。いつも通り、NHKをつける。『午前七時のおはよう日本です。──今朝早く、愛知県尾張旭市の通称「白山林」にて野宿をしていた男性達が何者かに襲われるとい…
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思いつき。
「ねぇ、今度ここで競走しない?」 耳を疑った。「……どこで?」「ここで! マラソン大会があるんだってさ」「……へぇー」 名古屋駅桜通口(東口)から四方へ広がる大…