小説書きの執筆小話。

初めて公に小説を出したのはいつですか

 インターネットで創作するというのは楽しいですが、反応がないとなかなか寂しいものです。対して紙に印刷して発表するというのは、確実に手に取ってもらえたという感触を掴むことが出来て、なかなか楽しいです。
 さて、やはり「書く」と「公に出す」には時間差があるのが小説書きの特色です。すると「初めて公に小説に出したのはいつですか」という質問も成り立って来ますね。自分は、こんな風に答えます。

『桜梅桃李《おうばいとうり》』に書いたのが、実質初めてといえるのではないでしょうか。

 実質、というのはなかなか複雑な事情でして、第一話で「初めて書いた」といった小説、Webサイトを作って公開しちゃったりしています。といっても今はもう更新していないサイトです。しかしなかなか恥ずかしい内容ですし、今のペンネームになる前の話なので、それをさておくと本格的な小説の発表は『桜梅桃李』が初めてということができます。
 この『桜梅桃李』というのは、中学三年生の時に作った小説集です。
 その頃、自分の中学校には選択授業というものがありました。Aゼミは五教科の中から、Bゼミはその他の教科の中からそれぞれ一つ選択して学べる仕組みだったのですが、その中でも自分は「国語発展」というものを選びました。もちろん、理由があって。
 第一話で、『輝石』という創作集に出会ったのが小説を書くきっかけになったということはお話しましたね。その『輝石』も、同じく「国語発展」の授業の一環で作られたものだったのです。その翌年も『命華乱舞《めいからんぶ》』という創作集(小説だけでなく詩も含まれていたので、そう呼称しておきます)を同じ授業で出していました。なら自分たちの代でも出したい。自然とそう思う人が集まっていたのです。
 ただちょうど担当の先生が変わったりしていて、すぐに小説集を出す話には直結しなかったのですが、結果として文化祭に『桜梅桃李』を出すことができました。その年はクラスに部活(吹奏楽)、そしてこの小説集となかなかハードでしたが。「愛知川香良洲《えちがわからす》」というこのペンネームもその時決めたものです。そしてその時出した「The child police」という作品は第二の原点として、強く自分へ影響を与えています。更新日現在では連載中の「クロスフィア」、そこにも出てくる「藤枝と森岡」は、この作品の主人公ですし。
 その後ゼミ内で『秋の風冬の空』という創作集を作った以後は、紙媒体での発表は高校三年生の『On the desk』までお預けということに。
 すると第三話では、高校での小説執筆について書くのがいいですかね。